「元来の釣りとは」

糸にセル玉ウキをゴム管で付け針を結ぶ。
針から上の適当な位置にカミツブシを付ければ仕掛けは完成。
エサをつけて振り込めば後はただ待つのみ。
ウキが沈んだら合わせる。
弾力性のある竿が根元まで曲がり「ヒュー」と高い音が鳴れば胸はバクバク。

 

 「目的と意義」

キャリアも浅く技術も無い私ではあるが だからこそ初心者的な見方、考え方ができる。
テレビ、専門書、幹事長のコラムなど真面目な知識、ある種学術的な事柄はそれらにお任せするとしてここでは私の主観、クチコミで得た情報をお届けする。

釣りは趣味である。
趣味である以上楽しく快適でなければならない。
辛さや不便、不快といったことは極力排除したいと思うのは皆共通の考えだろう。
私自身もこれらについて留意してきた。

その詳細

道具は値の張るもの
1) 軽量(竿などは自重だけではなく持ち重り感を考慮)
2) 高機能な道具は自身の技術を補ってくれる。
3) 見栄を張っている(これが本音)

ウエアや身につけるもの
1) 軽量(少しでも疲れないように)
2) 機能性(冬磯でも寒くないように)
3) 値が張るものを好む
例)ルイヴィトンの磯バッグ
ヴェルサーチの磯スーツ
バリーの磯ブーツ
エルメスの手拭タオル

釣りの辛さ
1) 雨、風(自然が相手なのでこればかりは・・・)
2) 地磯歩き
我クラブには度を越えた健脚の持ち主が居る。
O氏、Y氏、S氏・・・彼らの足について行くにはケビン山崎氏による大掛かりな肉体改造でハイブリッドな足を手に入れよう。
ちなみに私はM氏レベルの地磯歩きをボーダーラインとしている。

あとポーターを雇うのも一つの手である。
これから先はちょっと真面目に・・・

上記の事柄はすべて自身の判断で決めることが出来る。
ずばり言えば道具はあればよいだけ、ウエアなども普段着で良いといえば良いのだ。

この趣味を満喫する上で最も重要なのは安全であると言える。
賛否両論あると思うが安全を啓発する必要性、趣味を満喫するためあえて知りうる限りの事柄を記したい。
辛辣なNG話しであるのは承知しているが前知識があるだけでもいざと言うときの助けになるのではないか?

 

 「安全について 2名以上の釣行が望ましい訳」

死亡事故

三浦半島の漁師の死亡事故
舟での海苔漁をしていた漁師が行方不明になった。
元々素潜り漁の経験者で泳ぎは達者であったが転落し亡くなった。
発見されたのはなんと熱海! 何週間もかけて流れ着いた。
着衣は胸までのゴム長。
泳ぎが達者でもウェーダー着用時は注意が必要。
落水時はブーツを脱ぐ。

神津島での大事故
かなり前のことであるが渡船時にその船が沈没し船長を含む
大勢が死亡した。
島の地形のせいか? それ以来全船で“押し付け”による瀬渡しをやっていない。
その理由
船を押し付けた時、大波を食らい海面が上がり船の前方が磯に乗り上げ
動く事ができなくなり船尾から沈んだ。
先に磯に渡った人だけが生還したそうである。

3年前に起こった転落死亡事故
これも神津島のことである。
ベテラン(年配者)の釣り人1名が磯上がりの際 誤って海に転落し
運悪く船の下へ潜りこみ船底で頭を打ち死亡した。

遭難事故

昔はテレビのニュースでよく見かけたヘリコプターによる救出。
最近は見かけなくなった。
その数が減っただけなのか?それとも渡船がしっかりしてきたからか?
しかし海での遭難(海難死亡者)、行方不明者は毎年100人単位で記録されている。
もちろん釣り人だけではないが・・・。

特に気をつけるべきは地磯である。
私も経験がある。
以下は過去に八丈島釣行をBBSに書き込みをした文面である。

1月25,26,27で39年会の例会(?)を八丈島で行いました。
私だけ前日入りし、地磯に行きました。

1月24日 石積ヶ鼻(南に位置し、釣座が高い)
車止めには3台あり見下ろすと左の釣り場は人がいる。
通常はあまり行かない右の磯に入る。
海面まで8メートルはある高場。
とりあえず魚を掛けるのが目的、すべて抜き上げるつもり・・。
3号竿、道糸8号、ハリス8号。

2、30メートル先で大きなアタリ。
魚は一直線で右へ。
一瞬頭の中で“糸は出さない! 出しちゃいけない!
出すんじゃねーコンニャロー! となぜか首藤氏の声。
体勢は十分。 ウォリヤ――! ギュ――――ッ
その後3~5秒で “バ―ン-!!!
元竿の約13センチ上からもがれた竿(使用2回目)は
魚のいる海面に突き刺さりました。
直後糸は切れ竿を回収しようと道糸を引くと真下の根に引っかかりました。

この日は雨、磯はツルツル、海苔付着。
3段になっている大岩を降りると上がれるか心配。
しばらく考えて1段ずつ飛び降りる。
竿回収。糸で結び上からずり上げればOK。

上に上がろうと大岩を振り返る。
高い。
降りたポイントは足を引っ掛ける所が無く割れ目にブーツの先を
ねじ込み左手をかけその上約6,70センチの所に右手をかければ上れそう。

必死にチャレンジ5回。 遭難の可能性。
このとき本気で死を感じた。何せ携帯も圏外。

次に右端の上がれそうねポイントを見る。
上は下りの丸い岩、海苔の付着がなければ大丈夫だが、もし転落すると2.5メートル下の波が打ち寄せる溝に転落する。
何度も躊躇し考えた。
手拭タオルを岩に敷いて滑り止めにし思い切ってジャンプし上半身を岩に乗せる。
上がれそうだがスパイクがかからないと安心できない。
上半身を岩にぺったり付けそろりと右足を岩へ・・・・
上がれた。
その上の2段は問題なし。

この日の釣れた魚は イスズミ、ダツ、トロピカル系色々。

ヒラマサとは分からずに無理にためて竿を折り、危険な事をし猛反省、大反省。 
こんな事はもうしないと誓う。

その後3日間の釣行記は他の皆さんにお任せします。
なぜなら私には書けない理由が・・・くらった!
平成15年1月28日 記

上記の文章は私なりに面白おかしく書いた。
が、死を覚悟したのは本当の話である。
無理はしない、無茶をしないのはこのときに学んだ気がする。

転落・落水事故

ベテランの釣り人で何人かの人から聞いた話は色々あるが、ここはあえて私のカミングアウトを記す。

だいぶ前のことである。
本庄氏と共に神津島に通い始めた頃私は海に落ちている。
季節は春、ねじり鉢巻の石鯛師が6~7名、上物は我々二人だった。
瀬渡しは我々から始まり私は先頭に立った。
当日は左からのウネリがありちょっと渡り辛い感じはあったものの
早く竿を出したい気持ちが先走っていたようにも思う。
3メートル以上 反復上下する船の先端から磯の着地場所はほぼ中央だったと
記憶している。
通常は上りきった時、又は降りきった時がジャンプのタイミングである。
私は降りきった時から少し遅れてジャンプした。
その時左からの大きなウネリが来ていた。
上空高く、やや右よりに飛んだと言うか飛ばされた。
着地したのは勾配面、予定着地地点から外れ崖の部分に着いた。
その瞬間のことは今でもはっきりと記憶している。
よくある話しだが周りの状況、情景、置かれた立場が理解でき、ゆっくりと動いていた。
以前に読んだ海彦に載っていた「やばいときは海にジャンプ」を思い出し見えない後方の海へ大きく飛んだ。
落水。
やや左側を向き左手で受身を取った。
目前には水面ギリギリと落水の瞬間、沈んでいく瞬間に泡。
それらを全部この目で見た。
目を閉じなかったのはショックのせいであろう。
しばらく沈み自然に浮き上がった。
呆然。
すぐにブーツを脱ぐことを考えたが大丈夫そうだったのでやめた。
100メートル程離れた磯には他船の釣り人がおり しばらくこちらを眺めていたが
支度をし釣りを開始した。
もちろんこれも“その瞬間”に見たことだ。
船から声が掛かった。
じっとしていれば良いのは分かっていた(冷静に)が船に近付こうと立ち泳ぎを始めた。
無骨な石鯛師からは大声で制止された。
船が近付いてきた。
すぐ上の船べりからはロープが渡された。
しかしこれが難儀であてにすると無意味に沈むのだ。
自分で浮いている方がましと言った具合に。
石鯛師たちは二人がかりでフローティングベストを掴み引きずり上げようとしてくれた。
70キロ無い私の体重も海水を含みかなりの過重だ。
結局3人がかりで引き上げてもらった。
頭を下げお礼とお詫びを繰り返した。
石鯛師たちはそれぞれ逆にやさしい言葉をかけてくれた。
船長は「港に帰るか?」と言ってくれたがそのつもりはない。
怪我をしている訳ではない。 ただちょっと湿っているだけ。
とりあえず石鯛師たちを瀬渡しし最後に我々を磯に渡した。
そのときは本当に緊張したけど。
磯に渡った私はまず服を脱いだ。
モーレツに寒さが襲ってきた。
しかし天気が良かったせいかそれなりに乾いた。
その日それまで神津島で釣果が無かった我々も40センチ程度のメジナが何となく釣れた。

針が指に刺さった
あまり話を聞かないことかも知れないが地元釣り仲間の実際に起こった事を記す。
どういうタイミングで刺さったかは定かではない。
指に針が深く刺さり針のカエシのせいで抜けなくなった。
ハリスをチモトで切り根性でそのまま抜いたそうである。
それもヒラマサの針・・・寒気がする。

指を深く切った
道具の応急処置用にアロンアルファを持参する釣り人も少なくない。
これを切ってしまった部位に塗りつけて傷口をふさぐのだ。
相当しみると思うが外科手術(もちろんこれは医療用)でも用いられており
応急処置に使える。

打撲
まずは冷やすこと。
クーラーに氷があれば言うことなしだが 釣り場にはまず無いと思う。
タオルを海水で濡らしブンブン振り回し患部に当てる。
可能な限り気化熱を利用し冷やしましょう。

骨折
H会員の投稿を待つ。

よた波をくらう
熱海の堤防での事故は記憶に新しい。
磯でのよた波は大きな事故につながる。
膝を洗うくらいの波はまず立っていられない。
過去に知り合い3人(推定80キロ)が大島(野田浜)で股下位の波を受け
磯の上を5回ほどゴロンゴロンしたそうだ。
多くの道具を流されたが幸い大した怪我はしなかった。

盗難
竹芝桟橋からの遠征、背負子に荷物やフローティングベストを付けて乗り込む。
荷物をデッキに置いたらほとんど目が届かない。
心無い輩がフローティングベストに入っているウキを盗んだ。
ウキは小さく高額なものである。
まず見つけられない。
東海汽船ではウキは別の場所(バッグ)にしまっておくのが良いと思う。

ぎっくり腰
大変なことである。
症状の大きさにもよるが渡船した磯の上ではどうすることも出来ない。
釣りの前には準備運動が必要。

 

 「魚を大きく見せる写真の撮られ方」

撮られ方・・・これは自身で魚を持った時の写真のことである。
下記に魚を大きく見せる方法を記す。
はっきり言えるのは大柄の人は不利。
顔の大きな人も不利。
よってそういう人はエステに行って小顔にしてもらいましょう。
もしくは耳の下からあごにかけて影を作るメイクアップ!

・・・バカなことを書いてしまった。