口太メジナについて

今回は私の最も好きな、釣魚である口太メジナについて、私の推測、思っている事に触れてみようと思う。 比較的どこにもいて、最大50cmオーバー3k近くにも育つこの魚、技術、仕掛、コマセなどが先行するこの魚に、最初の一匹と、家に帰って料理する前の一匹にターゲットをしぼって考えてみる。 その日の一匹、場所替えしての一匹、感動の一匹。 一匹といっても色々あるだろうが、みなさんは、この一匹の体色について考えたことがあるだろうか。 海の魚に多く言えることなのだが、この魚は他に比べ特に、警戒色と保護色を体中にさす特性をもっている。 水質、水温、海底の根の状態、外敵となる魚の有無、釣り人のプレッシャーなど原因についても色々考えられるが、私が基準にしている体色について、これはあくまでも推測なのだが説明してみよう。 (黒色・茶色)・・・通常の仕掛で攻める 居着きと思われる体色。 警戒色を出していない最も状態の良いと思われる色。 固体差や時期にもよるが、黒色は黒色の岩礁や一般的な磯に多く見られる。 茶色の理由は分からないが、大型の固体に良く見られる傾向がある。根についている魚に多く、仕掛のタナがあっていると思われる。 (ブルー・尾ひれが白い)・・・軽い仕掛で攻める 回遊性の固体、新群れに多く見られる。 これも魚の状態が良く、魚が宙層に浮いている時に見られる。 回遊性の強い尾長メジナに良く見られるが、口太メジナにも見られる。高水温期の潮流に勢いがある時期多い体色で、このメジナにが釣れる時は浅いタナで数釣りできる時が多い。 (グリーン・白)・・・ハリを小さくするなど、なるべく違和感なく魚が食うよう工夫する。 気温・水温が高く(夏時期で海水が蒸発し、塩分濃度が濃くなった時など)潮が動いていない時。 白濁する動植物性のプランクトンが海水に多く酸欠ぎみの時。 食い気がなく、やる気も無い、非常に釣りづらい。 (ブチ色) 一番強い警戒色。水の外又は内に外敵がある時に出す。 魚を釣り上げた時などよくこの色をしているが、この魚を釣り場に放すと、その魚が不自然な動きをするのが他の魚にも分かるようで、魚が散ったり、根岩のすき間などに入り込み、ほとぼりがさめるまで出てこなくなってしまう。 釣れた魚をポイントに逃がすと食いが続かなくなるのはこの為である。 また、魚が散る要因についてもう1つ挙げると、魚が出す血にたどりつく。 よくハリを飲まれた魚から血が出ているが、これをそのまま海に放すと、魚が異常に警戒するようになる。 私は血のついた魚や血のついた手で付けエサを差す事に気をつかっている。 この魚の体色だけを見て、その日の状況を判断するのはどうかと思うがあくまでも目安として考え、仕掛のコマセ等の使い方を考えていくと、よりベストな釣りに近づけることができるかと思 そして、家に帰り、魚の腹をあけてみる。この腹の中は情報が多く、次の釣行プランのヒントを与えてくれる。 一般にメジナは、夏と冬とでは食性が変わると言われているが私もそのとおりだと思う。 (動物性のエサ)・・・夏期 エビ・カニ・フナムシ・押しムギなどがごっそり入っている時。 (植物性のエサ)・・・冬期 特にアオサ・ヒラアオノリが多く入っている時。 私のパターンとしては、夏系のエサが入っている時は、コマセに動物色の強い配合エサ(イワシパワーなど)を入れ、冬系のエサが入っている時は、寒グレSPなど、のりが多く入っているものを使うようにしている。 また、オキアミの目だけが多く入っている時などは、通常腹掛け背掛けで付けている。 付けエサを頭から釣先を入れ尾びれに抜く、通常とは逆の付けエサの付け方を試し、次の釣行で良い思いをしたことも多々ある。 時々、オキアミを腹一杯食べた魚をさばく時があるが、これは釣行の反省となる。 メジナは聞く所によると満腹感を感じるのが早く、オキアミ1匹だけでも1週間位は物を食べなくても生活できるという。 こんなにオキアミを食わせてしまって、もう少し浅いタナで小さなアタリを捕えることができれば、もう少し早くその魚を釣ることができたな、と思うことがしばしばある。 なにかと不思議の多いこのメジナ。違う角度から見てみると、もっと楽しく釣りができることと思う。