糸について

最近では各メーカー、特に使用頻度の高い糸には力を入れていて、釣り場の状況(タナを深く取る為、潜め釣りをする。
極細の糸を使い、あらゆる糸への抵抗を軽減させる)を糸の性質によって克服できる様になった。

 
ナイロン
フロロカーボン
PE
結節力
破断強度の約85%
破断強度の約70%
破断強度の約40%
破断強度(2号)
約4kg
約5kg
約1kg
比重(真水1.0)
1.14
1.78
0.97
屈折率(真水1.33)
1.53
1.42
伸び
20%~45%
17%~37%
5%未満
吸水性
有り
無し
無し

数字で見ると各々の糸によって特色が出ているがこれだけではどれが一番とは言い難い。 強度のみを求めPE糸にすると、伸び率が小さいので竿に負担がかかるし、口切れを起こす確率が増加する。 ナイロン糸では交換頻度が多く不経済だが糸の特性である。 しなやかさはフカセ釣りにおいては必要不可欠。 フロロカーボンでは強度、吸水性の問題は無いが、糸自体に比重があるので、張りの少ない釣り場では道糸が沈み使いずらい。 最近ではPE糸に伸びのあるナイロンハリスを使った感度重視の仕掛け、ハリスをテーパー状に繋いでゆく仕掛け(フライのリーダーとティペットの様に繋ぐ)など様々な組み合わせが使われている。 是非、各々の糸の特性を活かし、自分に合った仕掛けを発見して頂きたい。 何かと良く耳にする糸の吸水性と磨耗性については(20℃の真水に24時間場合)ナイロン糸が吸水率2%弱、強度低下5%というデータが出ている。 ナイロン糸の強度低下について特筆する点は紫外線による強度低下でUVカットされていないナイロン糸は10時間照射されるとおよそ50%もの強度が低下してしまう。 紫外線の多い季節、道糸を毎回10M切ってみたり、真水で潮抜きをしてみたりというのは無意味に思える。 良型の魚を掛けた時に高切れを起こしたり、結節部分から切れてしまったりというバラシを引き起こす原因になりかねないと痛烈に感じる。 磨耗性に関しては、一般的にフロロカーボンが優れているというのが常識になっているが、ある雑誌のデータによると、細い号数(2号以下)ではフロロカーボンの方が破断力が強いが、2.5号より上の号数になるにつれ、ナイロンの方が破断力が強くなってゆくというデータもある。 大型の尾長メジナやその他の大型魚を釣る為に太い号数のフロロカーボン一本でいくのは考えものの様に思える。 更に、ナイロン系の道糸を分けるとフロートラインとサスペンドラインに分かれる。 消しの入った糸(フロートラインなど)は、消しの入っていない糸(サスペンド系の糸や透明な糸)に比べ最大で約20%以下で引っ張り強度で劣る。 いくら視認性が良いからといって1.5号クラスの細いフロートラインを巻き替えず何回も使用するのもどうかと思える。 最近、私が40cm前後のクロダイ・メジナを想定して使う道糸はサンラインの磯スペシャル パワー2号というサスペンド系の道糸を使い、3回の釣行でだいたい巻き替える様に心掛けている。